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特別区(とくべつく)とは、日本においては地方自治法第281条第1項に規定する「都の区」である。以下、日本の特別区について記す。

概説

2007年現在、東京都に23区存在する。2007年3月1日現在、23区を合計した推計人口は858万3481人、面積は621.49km²である。政令指定都市(地方自治法第252条の19第1項に規定する指定都市)に設置される区(行政区)とは違い、独立した法人であり市町村に準じた地方公共団体として機能するが、市町村よりも都が処理する事務が多い。

都道府県市町村が普通地方公共団体であるのに対して、特別区は特別地方公共団体であるため、通常の市町村とは異なった扱いを受けることも多い。地方自治法では、第281条の2第1項で「都と特別区との役割分担の原則」として、特別区のおかれている区域では、市町村の事務でも、大都市地域における行政の一体性と統一性の確保の観点から当該区域を通じて一体的に処理することが必要である事務は、都が特別区を包括する広域の地方公共団体として処理することになっている。このため、都と特別区の事務の処理については、「都と特別区」及び「特別区相互の間」の連絡調整を図るため、都と特別区によって都区協議会が設けられている。


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    特別区は区長を公職選挙法に基づいた選挙によって選出する。区議会もあり、区議会議員も区長同様に選挙によって選ばれる。また、各種公共施設(学校や体育・文化施設、福祉施設など)も各区で設置できる。

    特別区は今のところ東京都にしか存在していない。しかし、法では「都」の定義をしていないので、法律上は東京以外の地域に都を設置し、そこに特別区を設置する事も可能である。行政のスリム化及び地域活性化の案の一つとして、大阪市及び大阪府が合併し「大阪都」を設置するという構想もある。

    以上のように特別区は、政令指定都市の「区」とは大きく形態が異なる。また近年には都からの権限委譲が進んでおりほとんど「市」と同様の自治体になっている。しかし、住民が区から市への名称変更に抵抗があること、残る権限委譲についてまとまってないことから未だに「区」との名称が残っている。日本最大の都市。

    特別区と市の相違点

    特別区は、基本的には基礎的自治体である「市町村」に準ずるものとされ(地方自治法第281条の2第2項・第283条)、「市」の所掌する行政事務に準じた行政権限が付与されている(同法第281条第2項・第283条)。

    しかし特別区は、前述の通り、「法律または政令により都が所掌すべきと定めたれた事務」、および、「市町村が処理するものとされている事務のうち、人口が高度に集中する大都市地域における行政の一体性及び統一性の確保の観点から当該区域を通じて都が一体的に処理することが必要であると認められる事務」を処理することができない(同法第281条第2項・第281条の2第1項)。

    具体的には、特別区は「上下水道」・「消防」などの事務に関しては単独で行うことができず、特別区の連合体としての「都」が行っている(水道法第 49条、下水道法第42条、消防組織法第26条ないし第28条)。なお、従来は東京都の行政機関である「東京都清掃局」がこの地域の清掃事務を統一的に行っていたが、2000年4月1日に各特別区および東京23区清掃一部事務組合に移管されている)。そして、都及び特別区の事務の処理については、都と特別区及び特別区相互の間の連絡調整を図るために設置された「都区協議会」によって協議され(同法第282条の2)、都と各特別区の相互間で協調を図っている。

    その一方、特別区は政令指定都市・中核市・その他特に政令で指定された相当な規模をもつ市でなければできない行政事務のひとつである、「保健所の設置および運営」を行う責務を有する(地域保険法第5条第1項。保健所政令市参照。)など、所掌する行政事務の一部において、通常の市町村とは大きく異なった扱いがなされている。

    税制面でも、特異な制度が存在する。「都区財政調整制度」(地方自治法第282条)といい、具体的には、法人市町村税、固定資産税、特別土地保有税、事業所税、都市計画税、国有提供所在地等所在市町村交付金、国有資産等所在市町村交付金、特別とん譲与税は一度「都」に入った上で、財政調整の原資となり、都と特別区が割合を決め、特別区の財源不足額に応じて、財源調整交付金というかたちで、特別区の収入となる。これらは「市」であれば全て市の財源となるものである。そのため、特別区内に法人を設立した場合、都税事務所、管轄の税務署の2ヶ所に設立届を提出することになる。(他の市町村に設立した場合は、市町村、都道府県税事務所、管轄の税務署の3箇所)これは、前述のとおり、法人市町村税が一度「都」に入った上で調整されるためである。

    他に、職員の採用制度にも特徴がある。職員採用を各区役所等ごとに行うのではなく、全区からなる一部事務組合である「特別区人事・厚生事務組合」のもとに設置された「特別区人事委員会」で一括して行っているのも特徴である(同委員会実施の採用試験に合格した者につき、各区役所等が面接などを行い、採用者を決定する。この点、国家公務員や国立大学法人等の採用手法と同様である)。

    これらは、東京都が「旧東京府」と「旧東京市」が合併して誕生した特殊な経緯を持つ自治体であることに起因する(旧東京都制、地方自治法第281条ないし第283条参照)。つまり、現行の地方自治法における「特別区」は「普通地方公共団体」である市町村に準ずる存在であるとともに「基礎的自治体」としての性格を有するのであるが、「旧東京市」としての地位を承継した「東京都」もまたこの地域での「基礎的自治体」としての性格を喪失していないため、未だ特別区は普通地方公共団体としての法的地位を完全に獲得するに至っておらず、その自治権限こそ年を経るごとに拡大しているものの、いまだ「東京都」(=旧東京市)の内部機関としての位置付けを脱しきれていないのである(特別区の制度が、地方自治法において、市町村と同じ第2編(普通地方公共団体)にではなく、普通地方公共団体の機関(財産区や事務組合など)を定める第3編(特別地方公共団体)に規定されているのも、そのためである)。

    なお、行政以外の面でも、特別区と市町村とで異なった扱いをする例がある。社会人野球の都市対抗大会も、23特別区は各チームのホームタウンの特別区の名前ではなく、一律「東京都代表」という形で出場している(その他の市町村はそれぞれのホームタウンの自治体名の代表として参加している)。

    区長公選制

    1947年に施行された地方自治法では当初、通常の市町村と同様に特別区の区長も公選とされていた。東京都の区においては、1946年9月の東京都制改正によって従来東京都長官が官吏である書記官をもって任命するとしていた区長が区住民によって公選されるものに改められており、それが地方自治法下の特別区の区長にも引き継がれた。しかし 1952年の地方自治法改正によって特別区の独立性の制限と都への従属の強化が図られた。区長公選制も廃止されて、区長は区議会が都知事の同意を得て選任することとされた(これを選任制と呼んだ)。

    これに関連して、渋谷区長選任贈収賄事件における刑事訴訟において、1963年3月27日最高裁判所大法廷は、特別区は憲法93条2項の地方公共団体として認めることはできないとして、区長の公選制を認めないことが憲法に反しないという判断を示した。

    その後、自治権の拡充と独立性の強化を求める区の動きや美濃部都政下の住民運動の活発化、さらに区議会での区長選任が機能しないことが続いたことなどから1974年に地方自治法が改正されて1975年から区長公選制が復活した。

    英訳表記

    特別区の「区」は英語で ward または city という。また、日本語のローマ字表記そのままに ku と表記する例もある。

    「区役所」の英訳としては city office、city hall や、ward office、ward hall などが用いられる。

    2005年現在において、東京都の全ての特別区は cityを公式に使用している。これは地方分権運動を推進し市と同等であることを主張するため、また wardという語が英語を母語とする人には「独房」や「病棟」を連想させることが多いこと、などがその背景にある。よって、「区役所」の意味では、「市役所」と同じcity office、city hall(機関としての表記はcity government)などが用いられる。

    公式サイトのドメインは www.city.chiyoda.tokyo.jp と多摩地域の市と同じ表記となる。道路標識など公的なものの一部には wardやkuを使用しているものも多いが、これは設置された時期が古いためと考えられる。

    因みに、大井競馬にかつて存在した重賞競走、ワード賞は副賞が特別区競馬組合賞であることから制定された。由来は「区」の英語読みだった。

    特別区の一覧

    総称で「東京23区」と呼ぶことが多い。また政府機関や大企業の本社、証券市場などが集中している千代田・中央・港の3区を都心3区と呼ぶ。このほかに、自治体コード5番までの都心5区(都心3区と新宿区と文京区)、自治体コード6番までまでの都心6区(都心3区と新宿区と文京区と台東区)いう表現もあり、自治体コード8番までと北区の一部が東京市15区であり、その周りの町村が、後に吸収されて今の広さになった。

    明治時代は、明治通りの内側が東京市であり、外側は南豊島郡渋谷村など町村であった。しかし、麻布区広尾のみ明治通りの内側でありながら、後に渋谷村に降格した。その為、明治通りの内側なのに都心の区でなく渋谷区広尾なのだ。

    1932年、コード番号9番以降の、周辺82町村が編入される。 (昭和の大合併)

    東京23区の人口は合計約855万人で、東京都の人口の67.5%を占めている(2006年12月1日)。都心の区は、地価が高いだけでなく、面積が狭いことも人口が少ない要因のひとつである。周辺の区ほど人口が多いが、面積最大の大田区より面積第2位の世田谷区の方が人口は多い(大田区は羽田空港の沖合展開による埋め立ての結果世田谷区を抜き最大の区となった)。東京湾沿岸の区は、東京港港湾施設や広大な工場・流通地区を持つため、内陸の周辺区よりも人口密度が低い。人口は2006年12月1日現在のものである。

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